蓮村誠著 2011年5月 大和書房
<初心者向け、入門レベル>
「アーユルヴェーダって何?」
「難しい理論より、とにかく実践してみたい!」
という方に、アーユルヴェーダの基本的な考え方を理解できる、おすすめの本です。
著者の蓮村誠さんは、医療法人社団邦友理至会理事長、マハリシ南青山プライムクリニック院長。アーユルヴェーダ歴も長く、著書多数、雑誌のコラム執筆他、メディアでもよく紹介されている方です。
ベタなタイトルに最初は少し躊躇したものの、「2週間」で何ができるのかな、というシンプルな興味と、1センチで収まる本の薄さに惹かれました。
どうも体調がすぐれない、やる気がおきない、疲れやすいという方は、この本通りに一度試してみる価値あり。
一番のおすすめポイントは、プラクリティと呼ばれる自分の本来のドーシャを特定できなくても、ヴィクリティという現在のドーシャの乱れで、デトックスを進めていけること!
自分のドーシャがわかっていれば問題ありませんが、知らない人が自身で特定するのは、迷う要素が多いと意外に難しいので、各ドーシャが乱れるとどうなるかという点から、実践に繋げられるのは素晴らしいです。
アーユルヴェーダの解説本と言えば、
・ボリューム満点で、聞き慣れない
・カタカナ言葉が満載
・内容が多過ぎて何から始めればよいのかわからない
・元々インドのものなので日本の生活に即していない
・ヨガに興味がないと、ちょっととっつきにくい
など、腰をすえて読まないと理解しにくいものが多い中、この本は、そういったことを全部すっとばして、デトックスのエッセンスを紹介。
最初に「毒出しすごろく」というものがあり、自分の現状を知って適切な処置が行えるようになっているのも優れモノです。
その他のポイントとしては、
*身体と心の両方にアプローチする内容
*平易な言葉で本質が理解できる説明
*専門用語を最小限にとどめている
3つのドーシャ(ヴァ―タ、ピッタ、カパ)、アーマ この5つの単語だけで、すっきり理解ができます。
補足的に、 アグニ、プラクリティとヴィクリティがありますが、覚えなくてもOK。
*自分の現状をチェックできるチャート式
*14日間の毒出し実践項目はシンプルで、日本で普通に生活しながらできる
*白湯、ギ―、チャパティの作り方がわかる
*オイルマッサージのやり方と、オイルの作り方がわかる
などなど。軽いお試しにはそれなりの、真面目にやればそれ相応の結果が出ると思います。
共感するのは、後がきにある次の言葉。
「健康というのは、検査の数値やCTスキャンの画像で確認するものではなく、こころが元気で喜びにあふれている、からだが軽くてよく動いて調子良い、美味しくご飯が食べられて、毎日きちんと排泄がある、ということなのです。」
毒出しが終わったら、なるべくその状態をキープできるようにしたいですね。健康志向の生活は、無理なくマイペースでできて、長く続けられることが重要。
インドのような本格的なデトックスはできないにせよ、日常生活でもちょっとした工夫で、「こころ」と「からだ」を軽くできたら嬉しいですね。