エステとしてのアーユルヴェーダと、アーユルヴェーダ・クリニックでの本格的なトリートメントの違いは、ドクターによる体調や治療方針の見立てにあります。
本格的なデトックスや治療目的の場合は、クリニックに滞在してトリートメントを受けます。アーユルヴェーダ・ドクターは施設に滞在中、ゲストの体調に繊細な注意を払っています。重い症状を抱え医療としてのアーユルヴェーダをしっかりと受けようとする患者に対してはもちろんのこと、体験的に滞在してトリートメントを受けるゲストに対しても、しっかりとしたケアをします。大型の施設では複数名のドクターが常駐しており、専門的な相談がいつでも受けられます。
プログラムの最初に行われる個別コンサルテーションは、30分から1時間程度をかけて、ていねいに体調や病状を判断します。到着前に、あらかじめ問診票が送られてくるので、回答を返送しておきます。実際にドクターに対面するときは、書ききれなかったことや、詳細をあらためて伝えます。
ドクターは、長年の智慧と経験から、言葉にならない心身のメッセージを感じ取り、それらすべてを診断に活かすのです。その後は、滞在中、トリートメントの前後や、朝夕の食事時など、顔をあわせば何気ない会話のなかでもその気配をくみ取り、施術や薬草処方に活かしてくれます。
コンサルには英語が必要
ドクターのコンサルテーションは英語で行われます。ケララ州では、昔は権威あるドクターでも、地元の言語マラヤラム語しか話しませんでしたが、現在は学校教育も英語で行われるため、若い医師達は皆流暢に英語を話します。
コンサルを英語で受けるには、自分の体調についてしっかり説明できるだけの英語力が必要になります。最低限の医療用語をリストにしておくと役立つでしょう。
英語が得意でない人は、日本語の通訳を依頼すると便利ですが、ケララでは日本語通訳が常駐する病院はなく、個別対応だと費用が非常に高くなるのがネックです。通信環境が整えば、今後はオンラインで通訳を受けることが可能になることが期待されます。タイミングが合えば、日本人のアーユルヴェーダ専門家が同行するツアーへの参加もおすすめです。
アーユルヴェーダの知識はなくてもOK
アーユルヴェーダの知識は、必須ではありません。ドクターは、できる限り専門用語を用いずに、わかりやすく説明をしてくれますので、アーユルヴェーダの用語を知らなくても全く問題はありません。
それでも、基礎知識があればいろいろと質問することもでき、確実に理解が深められることができますので、トリートメントを、体験としてより楽しむことができると思います。